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杭ナビとは?
少子高齢化で労働力が下がっているけど生産性は向上しないといけないという相反している問題を解決できるのが先述した「杭ナビ」です。杭ナビにもメリットとデメリットがあります。
- 自動追尾なので測量作業は1人でできる。
- 操作を覚えやすい。
- 自動整準で設置が簡単
- 360°プリズムが付属している。
- 防塵・防水性能 IP65
デメリット
- 単体だけでは測量不可、何かしらのコントロールするものが必要。
- 求心望遠鏡はついていないので既知点への器械点設置は不得手。
レーザー求心が付属しているので出来ないことはないが自動整準のためかなり難しい。
基本設置は2点以上の既知点から器械点を求める後方交会による設置が基本 - ノンプリズムは非搭載。
- トータルステーションではないので国土地理院の等級はなし
便利な使い方3選
1.二次元データの活用
従来光波での測量では座標データ(sima)をパソコンから転送して現場で座標測定や杭打ち測量を行っていたと思いますが、杭ナビが発売されたことにより社外メーカーよりアプリから測量できるようになりタブレット上にCADデータを持ち出して現場でプロット図で確認しながら測量できるようになりました。従来のように事務所に持ち帰ってCADに流して間違ってることが判明して出戻りというのがなくなります。もちろん従来のデータのみでの測量も可能です。
2.三次元設計データの普段使い
3次元設計データは専用のCADソフトで作成したデータです。よく使用されているのが建設システムではSiTECH3D、福井コンピュータではEXTREND武蔵の3次元設計データ作成ソフトが主なソフトです。
上記ソフトで作成した現場の三次元設計データを現場で使用するアプリに入力して測量を行います。
従来の1側点ごとのデータを現場に持ち出すのと違って3次元設計データは現場を面データとして持ち出すためどの点でも管理することができます。ここが従来通り大きく異なる点です。
3.マシンガイダンスのセンサー
杭ナビはマシンガイダンスのセンサーとして利用することが可能です。従来はGNSSやトータルステーションにて重機を制御することが多かったですが、杭ナビがガイダンスのセンサーとして活用できるようになった為費用が抑えられ、また小型重機への設置が可能になったので小規模工事でも活躍できるものとなりました。最近はドーザーやグレーダーの制御も可能になりICT施工の範囲も拡大中です。
主な部材は
杭ナビの本体
360°プリズム
チルトセンサー
コントローラー
Andoridタブレット
これ以外にケーブル類やプリズムポール等はありますが主な部材はこのくらいです。
現場用アプリ3選
よく販売したり見かけたりするアプリは下記の3選です。
1.トプコンTopLayout
株式会社トプコン製の純正無料アプリ
特徴は従来の光波で使用していた放射観測、杭打ちが行えて杭ナビを制御できるアプリです。
ちなみに3次元設計データなどの取り扱いは不可です。
2.快測ナビ
株式会社建設システム製のICT施工現場端末用アプリ
特徴はICT施工施工向けのアドバンス版と従来測量に近いスタンダード版の2種類が販売されています。どちらも年間利用料がかかります。
1ライセンス(年間) アドバンス版99,000円(税込) スタンダード版46,200円(税込)
2.FIELDーTERRACE
福井コンピュータ株式会社製の現場計測アプリ
特徴はICT施工施工向けのProfessional版と従来測量に近いStandard版の2種類が販売されています。どちらも年間利用料がかかります。
1ライセンス(年間) Professional版92,400円(税込) Standard版46,200円(税込)
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トプコン杭ナビLN-150便利な使い方3選~まとめ~
今回は杭ナビについて解説してきました。発売当初はなぜ杭ナビなのか疑問がありましたがここ数年で市場の人手不足・生産性向上が待ったなしの状況になってきています。そんな状況だからこそ一人で測量でき尚且つ覚えるのに時間がかからない杭ナビが必須になってきているのだと感じています。まだ見たり触ったことがなければ、ぜひ見て体験していただきたいと思います。
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